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鹿園 直哉; 鈴木 智広*; 北村 智; 渡辺 宏*; 田野 茂光*; 田中 淳
Journal of Experimental Botany, 56(412), p.587 - 596, 2005/02
被引用回数:117 パーセンタイル:91.08(Plant Sciences)シロイヌナズナ乾燥種子に炭素イオン150Gy、及び対照として電子線750Gyを照射し、誘発される突然変異の特徴を調べた。炭素イオンでは大部分が短い欠失からなる点様突然変異と、逆位,転座,欠失等の大きな構造変化が誘発された。大きな構造変化で切断点を解析したところ、多くの場合短い相同性を利用して再結合がなされていること,切断末端では短い欠失が生じることが見いだされた。それに対し電子線では、短い相同性を利用する点は同じだが、切断末端では欠失ではなく、その末端の配列が重複するかたちで再結合がなされることが多かった。これらの結果は、炭素イオン及び電子線によって誘発されるDNA鎖切断は異なる経路によって修復される可能性を示し、イオンビームの突然変異原としての有用性を示唆するものである。
Lee, K. K.; 大島 武; Saint, A.*; 神谷 富裕; Jamieson, D. N.*; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210, p.489 - 494, 2003/09
被引用回数:21 パーセンタイル:78.43(Instruments & Instrumentation)プロトン,アルファ線,炭素イオンマイクロビームを10から10ion/cm照射した六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)ショットキーダイオードのイオン誘起電荷収集(IBICC)の効率を調べることで耐放射線性に関する知見を得た。2MeVアルファ線マイクロビーム照射の結果、基板がn型,p型によらず類似する劣化挙動を示した。また、IBICCの減少量を非イオン化エネルギー損失(NIEL)を用いて解析したところ良い一致を示した。さらに、プロトン照射試料についてイオンルミネッセンス(IL),紫外フォトルミネッセンス(UV-PL)測定を行ったところ、2.32eVの準位が観測された。
鹿園 直哉; 田中 淳; 渡辺 宏; 田野 茂光
Genetics, 157(1), p.379 - 387, 2001/01
イオンビームによって誘発される突然変異の分子機構は全くわかっていない。そこで、シロイヌナズナに炭素イオンビームを照射し、誘発したgl1-3,tt4(C1),ttg1-21の3つの突然変異体から変異遺伝子を単離し、塩基配列の解析を行った。gl1-3突然変異は、第3染色体に存在するGL1遺伝子座とAtpk7遺伝子座間で逆位を起こしており、そのサイズは、2,3百kbpに及ぶものであった。逆位は第2染色体の107bpの挿入をも伴っていた。tt4(C1)突然変異も、2,3百kbp程度の逆位を誘発していた。一方、ttg1-21突然変異では、第3染色体と第5染色体の相互転座に由来するものであった。これら3つの突然変異に共通して観察された現象は、すべての変異が、わずか数塩基のホモロジーを介して再結合されているということであった。また、その接合点では数塩基の欠失も伴っていた。これらの結果から、イオンビームによるDNA損傷は、非相同組換え修復によって変異が誘発していることが示唆された。
今村 正浩*; 赤木 清*; 田中 敬正*; 今村 正人*; 水間 長代*; 小林 泰彦; 渡辺 宏; 蜂谷 みさを*; 明石 真言*; 古澤 佳也*; et al.
J. Gen. Appl. Microbiol., 43, p.175 - 177, 1997/00
被引用回数:11 パーセンタイル:37.63(Biotechnology & Applied Microbiology)原研高崎研のTIARAのサイクロトロンからの炭素イオンビーム(LET=121keV/m)と放医研HIMACのシンクロトロンからの炭素イオンビーム(LET=80keV/m)を、生理食塩水に懸溶した大腸菌に照射し、生存率を測定した。更に、コバルト60の線(LET=0.3keV/m)及びボロン10中性子捕獲による線照射(LET=230keV/m)に対する生存率を調べ、10%生存率を与える線量の比から線を基準にRBE(生物学的効果比)を算出してLETとの関係を調べたところ、大腸菌野生株ではLET=121keV/mでRBEが1.81となり、極大を示した。しかし、大腸菌のDNA修復欠損変異株であるKY85株(recA56)ではRBEのピークは見られなかった。
有賀 武夫; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Materials, 122-123, p.191 - 195, 1984/00
溶体処理をした316ステンレス鋼に803kで10dpaまで炭素イオン照射をすると、イオンの入射表面から0.35および1.3mの距離に、それぞれ、0.02および0.002%のスエリングピークが現われ、0.5~0.8mの間はボイドが生じない。なお、計算によるはじき出し損傷のピーク位置は0.83mにある。照射量を42dpaに増やすと試料表面に近い方のピークは0.5mの位置で約20%と非常に大きくなる。窒素イオンを、この温度で、42dpaまで照射した試料でも、0.4~0.5および1.1~1.2mの位置にスエリングピークが現われ、0.7~1.1mの間にはボイドが生じない。これに対して、923kで炭素イオンを10dpaまで照射した試料には0.5~0.6mの位置に0.07%のスエリングピークが現われるにすぎない。これらの現象は、入射イオンの照射欠陥と結合した拡散によって説明できる。
浜田 省三; 沢井 友次; 白石 健介
日本原子力学会誌, 26(8), p.695 - 697, 1984/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.3(Nuclear Science & Technology)ヘリウムイオンのステンレス鋼中の平均飛程は、照射試料の入射面に垂直な断面を化学腐食することによって精度よく測定できると報告されている。この方法が不活性ガスイオンばかりではなく、一般の高エネルギー重イオン照射の場合にも適用できることを確かめるために、炭素イオンをステンレス鋼に照射して、化学腐食法によって平均飛程を測定し、計算で求めた値と比較・検討した。タンデム加速器を用いて40MeVの炭素イオンを雰囲気温度で316ステンレス鋼に照射した。照射試料の入射面に垂直な断面を化学腐食すると入射面に平行な腐食線が入射面から18~19mの距離に観察された。この腐食線を含む領域を電子顕微鏡で観察すると転位ループが集合した帯が入射面に平行に観られた。この結果から、腐食線は平均飛程に対応していることがわかった。この腐食線の入射面からの距離18.5mは計算で求めた平均飛程18.7mとよい一致を示す。